土用の日うの付くものを出しにけり
恋猫のふられふられてまた一人
石楠花をせっくす花と読みにけり
傷つきし心に眠り朧月
片恋や名残の都忘れ咲く
花林檎初めて祝う誕生日
アイリスや考の教えは花となり
鈴蘭の花が咲いたよ神父さん
人待ちて哀しからずやかすみ草
ホワイトデー円周率を諳んずる
溜め息や季節は過ぎて初桜
啓蟄の風に吹かれて一人旅
人知れず耽る思案や福寿草
猫に句を詠んで聞かせる春うらら
夏盛恋とは亦(また)に下心
鳴かぬならお茶でも飲もうホトトギス
牛蛙爆竹入れて爆破せり
おじさんと甥に言われた五十七いくらあがけど「おい」には勝てず
斑鳩の洒落た聖心美容院
カタツムリ家出をしては蛞蝓ら
春浅しお玉杓子に似た女性
電線に福良雀の三羽をり
なすがままきゅうりがぱぱの木曜日
木曜日ありのままとかはちのぱぱ
人魚姫海の海蘊となりにけり
フカキョンはうんこしないよ春の朝
フカキョンもうんこをするよ秋の夕
うんこではなくうこん入りカレーかな
白鷺の降り立つ朝の川静か
ででむしの転びインドの山の奥
パセリって芹の仲間だパの付いた
髪ちちれ主役を張れぬパセリかな
羊羹はよう考えてよう噛んで
秋の空は青く晴れて空気うまし (666の破調)
寂寥の夜の友達青葉木菟