fygar256の俳句

オンライン句集 「猫に餌」

俳句4

凍星のパワーストーン煌めけり
正月に凶は無きかな天満宮
この花を今日は咲かそう冬うらら
七草の歌口ずさみ粥を食う
松の内お酒を母に飲み残す
凍星や申し訳無き人生や
懲りもせず炬燵で寝ては葛根湯
日短し最近長く寝るような
亡き父の景色がええという言葉
春隣オタマジャクシに似た女性
白菜を漬けたしと言ふ母市へ
心頭を滅却すれば雪温し
寝てみたしふくら雀の羽布団
山眠る寺の坊主も眠りけり
神官の笑いにこやか冬うらら
冬茜記憶の果てに遠き友
時雨るるやしばしの間人嫌い
万両の真紅の神秘星光る
複雑な方程式や時計草
オリオンの視界を射抜く鮮やかさ
スキーヤー滑降傾斜二十五度
雪降れど二人を繋ぐ赤い糸
この頃は散歩にも出ずコタツムリ
母怒り居場所もなしや寒昴
周りにはいい人がいる冬うらら
猫の後付いて行つては日向ぼこ
水仙や地球三十三番地
蝋梅の火の点きそうな滑らかさ
狐憑き逆に読んでも狐憑
母作り旨いと言えと蜆汁
豆撒きや納豆撒けばどうだろう
闇一枚剥がれ落ちたる初春かな
春風や母の齢の若返り
紫雲英田に編みつ結びつ寝転びつ
蒲公英の綿毛の旅の夢を見し
冴え返り茶に入れて飲む塩昆布
しらす干しイカを見つけて喜びぬ
春ですね言う息白きご挨拶
亀鳴くや心に聞こゆ慕情かな
行く先は梅干しなりや梅の花
カカオよりオカカを食べるバレンタイン
蕗の薹苦味走ったいい男
甲のあり気安く食うなと蛍烏賊
鞦韆や大人一人で漕ぐ悲哀
祖母眠る加茂山に咲く山桜
首になるのも潔し落椿
豪勢なちりめんじゃこの尾頭付き
牛蛙爆竹入れて爆破せり
川海老が旨いかと聞く春の母
仲春やあの焼きそば屋何処行った
珊瑚礁海胆は白くて食べられず
春と冬間の季語はゆたんぽぽ
外出を決して許さぬ冴え返り
念願と寺の遠しや遍路笠
若布汁お椀に映るデスマスク
春分や細野奥道いい名前
春分や俳句乱調踏み外し
青ぬたやばあちゃん古銭集めてた
鳥交るああ鳥でさえ鳥でさえ
万愚節全治しました五十肩
四月馬鹿この句は嘘を詠んでいる
四月馬鹿インディアンさえ嘘をつく
騙すなと母が釘刺す四月馬鹿
邪魔すると刺すぞと怖い蜂が飛ぶ
初鰹もうさんつきで八月お
ひまわりや太っていればひまんわり
麦秋や畑でコケて爆笑や
こんにちはピアノ好きなの花は葉に
カルピスの切れて寂しき冷蔵庫
幸せなメロン羨む真桑瓜
ノーヘルで飛ばす原付金蚊が額に当たり激痛走る
ポコポコとキノコ栽培梅雨近し
高速で毛虫横断ジンタカタ
復讐が花言葉なるアザミ咲く
岩の上どっしり座る牛蛙
郭公よ托卵するなたくらんけ
蟻の列辿ってみれば二階まで
夏の朝ガレージにあるパキラの葉
満腹の臍に続くや蟻の列
登れども登れどもなほ蟻地獄
お釈迦様爪痕付ける麦秋
出目金の片方取れた目玉かな
陶枕に箸の気持ちの解りけり
五月蝿いと言えば無視する夏の母
鮎思ふ鳥になりたい大空へ
虚無僧の笠を取ったら中パンダ
人間は一本の管心太
浜木綿の夜の白さよ波の音
夜光虫フェリーの波を縁取れり
茶摘唄お腰の痛いおばあちゃん
雑草と言ふ草のあり薺かな
七年間蝉の我慢の短しや
梅雨には旱魃坊主吊るしたき
髪ちちれ主役を張れぬパセリかな
陰のある人は深かり木下闇
境内に生姜を植えて応援しこれがホントのジンジャエール
難解な方程式や時計草
柚子坊の大人になって黒を知る
水無月やどこで切っても金太郎
長梅雨の真相知るは濡れた後
死人には梔子の花供えれば
はたた神ぴかごろそんな名前なく
雲怪し夜に真昼をはたた神
ラジオから聞こゆビーコン夏の海
破滅型の人にも果実桜桃忌
幸せを掴むその手で胡瓜揉み
病む生や来世は鳥に梅雨晴間
寂しさは胡蝶と共に宙に舞う
夜盗虫坊主に勝る食いっぷり
言の葉の軽きに泣きて落し文