fygar256の俳句

オンライン句集 「猫に餌」

俳句1

ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フロッグスリープラウンドスプリング
蛙たち泉の周り飛び回る
蝌蚪出づる田を誰ぞ知るや風の街
ネクタイに首締められる会社員
堕天使よ終わらぬ恋にピリオドを
祖母逝きぬ清めの塩をためらいて
寒椿ぽろりと落ちて春近し
腰光り秋田小町にひとめぼれ
蝋梅に雫滴り通り雨
先生は猫が好きだね初句会
ミルクティー掟破りの三リットル
気を病んで夢の消えたる暗闇に灯りを一つともすかげろう
朝霞昼がすみまた夕霞
サイコロをじっと見つめてサイコロジー
おやこれは珍しい花珍パンジー
花見酒ちょいとねえちゃん飲まんかよ
晩鐘の響く畑に老夫婦
言の葉の読む人による幻の夢や現を照らす月光
善行に報う尨犬散歩中
こんにちは私山崎若葉ちゃん名前を逆に読んじゃダメだよ
病得て隣の芝生猶青し
猫に子が出来てニャーニャー五重奏
もういいよ君は十分苦しんだ
素麺の旨い季節だツユ一つ
迫る初夏我らを狙う黒い影
元気出せ世界は愛に満ちている
猫に問うにゃーと鳴かれて意味不明
さくらんぼ僕と貴方は17才
豌豆の煮物に感ず母の愛
燕の子季節と命巡りけり
蛙にも下戸と言われて酒飲まず
蟇蛙車に轢けて轢き蛙
母がまた今年も来たと梅漬ける
徒然に弾くはショパンノクターン
街を行くあやめのごとく咲く女性
襟正し形代に籠め流す罪水に流せばまた明日は来ぬ
水無月や梅雨があるのにこれ如何に昔は盛夏水涸れる時
誠実と云う名の不実跋扈せり
巣立ち前子雀空を見据えけり
緋目高や鉢にありても溌剌と
万緑の葉がそよそよと鳥を呼ぶ
仏壇に父の位牌と母の飯
日記書き我が闘病と名付けけり
人は風地に砂埃舞い揚げて鎮める天の恵みの雨や
でで虫の転び印度の山の奥
蟷螂に神の怒りの現るる
虎馬(トラウマ)は馬鹿(ウマシカ)とまた違いけり
人生は暇つぶしかなと背伸びをし言うてはみても風寒きかな
徒然に治らぬ病もてあまし人に頼れど知らぬ振りかな
出鱈目が良いねと君が言ったから今日は言葉のサラダ記念日
クロネコやチャラリラリラと屋台の音
淋しいと言っても独り梅雨の空
台風や家に缶詰水羊羹
今日も元気だ麦茶がうまいこれで一日リラックス
人は鏡と言われるけれど要らぬ鏡は割ればよい
夏にクーラー点けてみたけど寒くなるのは財布だけ
深い闇波を縁取る夜光虫
仙人掌に水やる仕事風雅かな
母の愛無言の愛の甜瓜
ふと止まりどこへゆこうか秋茜
鳳仙花敏感だった人想う
鳳仙花弾け壊れて子を残す
魚を右手に竿左手に右往左往(うおーさおー)と慌てけり
魚屋の娘にアタックしたら鱚(キス)は売り切れ残念ね
好景気八百屋の蕪を買い占める
亀戸で冥途の土産にメイド服明度の高いメイドインジャパン
パソコンの調子も悪し秋の雨吾の頭と共に狂へり
重病や秋の晴れ間に毛が生える
ひょろひょろと僅かに苦し貝割菜
「おじさん」と甥に言われた四十七幾ら足掻けど「おい」には勝てず
沈黙や恋も刹那く飽きが来る
コスモスや記憶に残る散歩道今宵ひとひら触れてみようか
花もなく小鳥もおらず猫も居ぬ寂しかりけり秋の公園
秋の園遠く電車の音を聞き
片恋や首を傾げる縞柄長
真夜中に目覚めてみれば冬浅し
霜月や辛き病に涙する
ルート2はひとよひとよにひとみごろ
雪煙子らははしゃいで山静か
南天が髪飾り也雪達磨
雪達磨美女の隣で溶けにけり
風を切り冬を駆け行くジョガーかな
寒がりを冬将軍は虐め過ぎ
ほれどうじゃ蜜柑は要るか炬燵猫