fygar256の俳句

オンライン句集 「猫に餌」

俳句7

土用の日うの付くものを出しにけり

恋猫のふられふられてまた一人

石楠花をせっくす花と読みにけり

傷つきし心に眠り朧月

片恋や名残の都忘れ咲く

花林檎初めて祝う誕生日

アイリスや考の教えは花となり

鈴蘭の花が咲いたよ神父さん

人待ちて哀しからずやかすみ草

ホワイトデー円周率を諳んずる

溜め息や季節は過ぎて初桜

啓蟄の風に吹かれて一人旅

人知れず耽る思案や福寿草

猫に句を詠んで聞かせる春うらら

夏盛恋とは亦(また)に下心

鳴かぬならお茶でも飲もうホトトギス

牛蛙爆竹入れて爆破せり

おじさんと甥に言われた五十七いくらあがけど「おい」には勝てず

斑鳩の洒落た聖心美容院

タツムリ家出をしては蛞蝓ら

春浅しお玉杓子に似た女性

電線に福良雀の三羽をり

なすがままきゅうりがぱぱの木曜日

木曜日ありのままとかはちのぱぱ

人魚姫海の海蘊となりにけり

フカキョンはうんこしないよ春の朝

フカキョンもうんこをするよ秋の夕

うんこではなくうこん入りカレーかな

白鷺の降り立つ朝の川静か

ででむしの転びインドの山の奥

パセリって芹の仲間だパの付いた

髪ちちれ主役を張れぬパセリかな

羊羹はよう考えてよう噛んで

秋の空は青く晴れて空気うまし (666の破調)

寂寥の夜の友達青葉木

 

俳句6

めでたさのみっつばかりの雑煮膳
秋興や猫には餌をあげませう
キセキレイ猫におはようございます
雪道や猫の喜ぶキセキレイ
冬銀河渡ればそこに夢のあり
紙漉や水の綺麗な母の里
冬の夜の帳に溶ける烏かな
採血のナース優しき春心地
憂ひあり友が菜の花持ち来たり
山百合の花に命を傾ける
入れ歯落ちわひゃあまらまら若ひ春
酒蒸しにせんかと怒る鬼浅蜊
儂も歳耕耘機でもしんどいわ
猫が好き?問うおばさんの春うらら
近所にて火事の老婆の杳として
サクラサクエア東大に合格や
春雨や褌取って大いばり
春寒しケツは元々割れとるわ
さくら花好きで始まる花占い
倍返し零は零なりホワイトデー
賽銭の足らず小吉春神社
幾年(いくとせ)も病重ねて蜷の道
鬼母の猛り狂うや春の闇
挿木せし桜根付けと絵馬を書く
公園にもう暑いねと尉鶲
眠たしや蛙が目ぇを借りに来る
お母さん桜がちっと咲いちゅうで
祖母の墓草茫々の彼岸かな
妹のシュシュの可愛や風光る
失くされた時を求めて月朧
花冷えや母の背中の丸き事
花薺ペンペン草と呼ばないで
春休み食う寝る遊ぶ女学生
名残雪別れにキスを一度だけ
狼が来たぞ元気に四月馬鹿
蛙釣り大人になって訪(と)う小川
青麦畑風の波紋を映しけり
芽柳や今日もややこを胸に抱き
春光や幟はためく海辺町
ペンペン草ハートだらけの浮気者
無防備に純潔曝す白躑躅
息潜め寄れば散る蝌蚪残る蝌蚪
雨音を聞きつつ啜る浅蜊
静けさを更に深めるアヤメかな
今年また季節は巡り白詰草
翻りまたひるがえり熱帯魚
いつ迄も枯れぬ悲しみ水中花
背比べ粽ベタベタ兄さんが
グラビアを飾る水着の白眩し
蝸牛家出をしては蛞蝓に
ベランダの雀に米を愛鳥日
卯波立ちまた崩れ行く輪廻かな
守宮出た母大騒ぎ月光る
病み疲れ今鳩の巣に帰りたし
クーラー点け布団を被る贅沢さ
マンションの規則正しい夏灯
軽鳧の子の列を外れるやんちゃをり
五月闇野良俳人のラプソディー
時流れ友の流れて走馬灯
捨てられし傀儡に吹く初夏の風
マスク美人外しがっかり走り梅雨
世の中は厳しおまんな青葉木
病葉は落ちる定めか天の泣く
故郷に来てと誘ふ子泥鰌
薄衣人見知りする女性かな
梅雨晴間日切り地蔵の達磨の目
電線の雀やかまし夏来たる
幸再来誕生日には鈴蘭を
四十雀男盛りは五十から
枝咥え海を埋めんと四十雀
お気楽なおばちゃん着てるアッパッパ
暑いわね近寄らないで恋の距離
六月や徒然蝦の瓶掃除
靴箱に入れる恋文青葡萄
失いし夢美しく夏の海
時の日やずれた時計の行き違い
小悪魔の魅力溢れし木下闇
糸蜻蛉楽譜の上に小音符
蟇我が身を嘆き蝶を喰ふ
野良猫の息子に母は鯵一尾
青鷺の骨格顕わにして太し
世を忘れ眠り通せし夜長かな
懊悩を自ら断ちし桜桃忌
西瓜食ふ猫西瓜食ふ猫が食ふ
寝冷えせど儂アホやから風邪引かん
極楽の出来初めなる浮葉かな
本に黴読むも捨てるも躊躇ひし
扇風機必ず横に首振れり
寝る女裸体の上に蜘蛛這わす
寂寥の夜の友達青葉木
はんざきの痛み知る者吾独り
蛸飼えば墨水槽に吐き自滅
怒りとは女のまたに下心
台風や七号去ってまた八号
水打ちてやの字に掛かりなんやねん
星流れ占星術の破れけり
蟷螂の斧と雖も指を切り
買へ買へとふたつ並びし南瓜かな
春の雷千年杉を割りにけり
キャンバスと園に秋色老いし画家
非正則恒等置換阿弥陀
禍は言葉にならず曼珠沙華
ばあちゃんの墓も知らずや秋彼岸
メビウスの輪でおもてなしうらない師
紫蘇の実の塩懐かしき母の里
秋風や猫えんじ色エンジニャー
辛の字も時に必要唐辛子
食べられる赤く可愛いタマゴタケ
便箋に涙したため冬来る
次の世は人になりたし大海鼠
これ以上強い酒なしエタノール
鎌鼬吾が心臓を裂くがよい
七五三等差数列次は一
ヤー・チャイカ早く地上に帰りたい
焼藷の値段にたまげ神棚に
鋤焼や考(ちち)の肉食えの追憶
痛切に虚しき冬の一人酒
チャイム鳴り暖炉の上に紅茶置く
河豚の毒当たりて瀕死夢三途
霜月の虫喰寺の跡地かな
冬の夜遅くぶぶ漬けどうどすか
セーターの縦のラインの曲線美
大雪にお大切にと日を迎ふ
悲しき句詠んでは消すやけふ冬至
ふと見れば餅の数切れ年用意
幾日も続かぬ思ひ日記買ふ
煩悩の百八センチ胴回り

俳句5

寸取りに寸を取られて背が縮む
索麺流し下流の方で奪い合い
今生は苦しみなりや合歓の花
占いに凶相多し炎天下
優しさを求め彷徨う夜光虫
毛虫焼く焼いたのひとつ五十円
サボテンは棘のありても平和主義
ハイビスカス真紅に空を吸いこめり
山道や今日も大工の三尺寝
フロリダの蜥蜴捕まえ喉膨れ 毒があるやも知れんと放す
夜な夜なに西瓜食い魔の現れり
虚無僧のサックス吹きて夏暑し
夏暑しハムスターのとろけ具合
川開き肝取る河童川流れ
時計草無限に続く円周率
ボンボーズ木魚ビートにノリノリだ
縁切れた人より便り暑中かな
薄衣着て人見知りする女性
訪れし螇蚸(バッタ)一夜で飛び立ちぬ
安眠や蛙を抱く蓮の花
秋思かな歌を忘れたカナリア
秋思符や憂い齎すサティかな
良心市買えとばかりに秋なすび
瓢生る下着着せたき括れかな
担当はパーカッションのけらつつき
猛る火の父の気性や魂迎へ
捨案山子野良俳人のラプソディー
秋茄子を食わす嫁さん募集中
星一つ流れて海に夜光虫
夫喰みて孤独極むる女蟷螂
永の字に込める一念硯洗ふ
硯洗ふ亡父に届く文芸誌
山の端や墓地に導く曼珠沙華
秋の宿鯔の刺し身と岩の風呂
おケラ鳴く軽き財布に吾も泣く
虎になる詩人秋の夜涙する
桔梗屋よお主もかなり悪よのう
過ぎ去りし時代を喰わん二十世紀
稔り田に頬のほころぶ農夫かな
稲雀チチチと逃げて虎視眈々
秋の蟻砂糖をちょっと分けてやる
気を付けろ猫が秋刀魚を狙ってる
舞茸は栄養あるぞ参ったけ
稲扱機派手に散らかる籾の殻
老いの字を嫌がる母の敬老日
白鳥座空に大きな鳥が舞う
コスモスやサンドイッチとスニーカー
チャルメラや闇夜の黒猫秋最中
旭日の逆光に映ゆ花芒
美しく歳をとりたし銀芒
捨て案山子恨めしそうにこちら向く
秋彼岸優しい人が好きよとか
蓑虫や浮世離れてぶらぶらり
彼岸花墓地墓地行こか長い旅
コスモスの揺れているのは触れたから
竈馬無害なれどもキンチョール
この林檎香りええねと母の言う
秋風にひらりスカートキャーエッチ
病身の母の買い来し栗赤飯
蛤や元の雀に戻りたし
秋霖や幸(さち)と言わねばなるまいか
一の字の莫山先生雁渡る
ばあちゃんの神棚に置く松ぼくり
古物屋の窓に置いてる松ぼくり
秋うらら猫でも一句詠みにけり
黄昏のジーンズ穿いた秋のひと
色変えぬ松を見つめるお爺さん
霜降や賽銭ほどの金はあり
新豆腐早く食わねば旧豆腐
無愛想なオッサンの売る美味い柿
念一字歩みの堅き秋遍路
毒茸食える顔して生えており
小寒寝間着上下の女の子
仏掌薯(つくねいも)粘り粘って意地通す
ややあって仏掌薯出る山の家
行く秋や自慢のボディー隠れがち
吉引きて病癒えると吾亦紅
冬うららこんにチワワと犬挨拶
冬銀河自由に描く星座かな
幸せの遠く近くと揺れる燗
冬薔薇棘も愛してしまへれば
鱈ちりの湯気やはらかに老夫婦
寝てみたしふくら雀の羽根蒲団
冬山にそうなんですよ救助犬
裸木は恥ずかしいので下着穿く
割腹の血の行く末や憂国忌
角巻の端に縫い付く刺繍かな
大蕪抜けて目出度しうんとこしょ
河豚鍋や癖になるのは毒のせい
眠剤と時計の針や冬寒し

俳句4

凍星のパワーストーン煌めけり
正月に凶は無きかな天満宮
この花を今日は咲かそう冬うらら
七草の歌口ずさみ粥を食う
松の内お酒を母に飲み残す
凍星や申し訳無き人生や
懲りもせず炬燵で寝ては葛根湯
日短し最近長く寝るような
亡き父の景色がええという言葉
春隣オタマジャクシに似た女性
白菜を漬けたしと言ふ母市へ
心頭を滅却すれば雪温し
寝てみたしふくら雀の羽布団
山眠る寺の坊主も眠りけり
神官の笑いにこやか冬うらら
冬茜記憶の果てに遠き友
時雨るるやしばしの間人嫌い
万両の真紅の神秘星光る
複雑な方程式や時計草
オリオンの視界を射抜く鮮やかさ
スキーヤー滑降傾斜二十五度
雪降れど二人を繋ぐ赤い糸
この頃は散歩にも出ずコタツムリ
母怒り居場所もなしや寒昴
周りにはいい人がいる冬うらら
猫の後付いて行つては日向ぼこ
水仙や地球三十三番地
蝋梅の火の点きそうな滑らかさ
狐憑き逆に読んでも狐憑
母作り旨いと言えと蜆汁
豆撒きや納豆撒けばどうだろう
闇一枚剥がれ落ちたる初春かな
春風や母の齢の若返り
紫雲英田に編みつ結びつ寝転びつ
蒲公英の綿毛の旅の夢を見し
冴え返り茶に入れて飲む塩昆布
しらす干しイカを見つけて喜びぬ
春ですね言う息白きご挨拶
亀鳴くや心に聞こゆ慕情かな
行く先は梅干しなりや梅の花
カカオよりオカカを食べるバレンタイン
蕗の薹苦味走ったいい男
甲のあり気安く食うなと蛍烏賊
鞦韆や大人一人で漕ぐ悲哀
祖母眠る加茂山に咲く山桜
首になるのも潔し落椿
豪勢なちりめんじゃこの尾頭付き
牛蛙爆竹入れて爆破せり
川海老が旨いかと聞く春の母
仲春やあの焼きそば屋何処行った
珊瑚礁海胆は白くて食べられず
春と冬間の季語はゆたんぽぽ
外出を決して許さぬ冴え返り
念願と寺の遠しや遍路笠
若布汁お椀に映るデスマスク
春分や細野奥道いい名前
春分や俳句乱調踏み外し
青ぬたやばあちゃん古銭集めてた
鳥交るああ鳥でさえ鳥でさえ
万愚節全治しました五十肩
四月馬鹿この句は嘘を詠んでいる
四月馬鹿インディアンさえ嘘をつく
騙すなと母が釘刺す四月馬鹿
邪魔すると刺すぞと怖い蜂が飛ぶ
初鰹もうさんつきで八月お
ひまわりや太っていればひまんわり
麦秋や畑でコケて爆笑や
こんにちはピアノ好きなの花は葉に
カルピスの切れて寂しき冷蔵庫
幸せなメロン羨む真桑瓜
ノーヘルで飛ばす原付金蚊が額に当たり激痛走る
ポコポコとキノコ栽培梅雨近し
高速で毛虫横断ジンタカタ
復讐が花言葉なるアザミ咲く
岩の上どっしり座る牛蛙
郭公よ托卵するなたくらんけ
蟻の列辿ってみれば二階まで
夏の朝ガレージにあるパキラの葉
満腹の臍に続くや蟻の列
登れども登れどもなほ蟻地獄
お釈迦様爪痕付ける麦秋
出目金の片方取れた目玉かな
陶枕に箸の気持ちの解りけり
五月蝿いと言えば無視する夏の母
鮎思ふ鳥になりたい大空へ
虚無僧の笠を取ったら中パンダ
人間は一本の管心太
浜木綿の夜の白さよ波の音
夜光虫フェリーの波を縁取れり
茶摘唄お腰の痛いおばあちゃん
雑草と言ふ草のあり薺かな
七年間蝉の我慢の短しや
梅雨には旱魃坊主吊るしたき
髪ちちれ主役を張れぬパセリかな
陰のある人は深かり木下闇
境内に生姜を植えて応援しこれがホントのジンジャエール
難解な方程式や時計草
柚子坊の大人になって黒を知る
水無月やどこで切っても金太郎
長梅雨の真相知るは濡れた後
死人には梔子の花供えれば
はたた神ぴかごろそんな名前なく
雲怪し夜に真昼をはたた神
ラジオから聞こゆビーコン夏の海
破滅型の人にも果実桜桃忌
幸せを掴むその手で胡瓜揉み
病む生や来世は鳥に梅雨晴間
寂しさは胡蝶と共に宙に舞う
夜盗虫坊主に勝る食いっぷり
言の葉の軽きに泣きて落し文

俳句3

病得て猶目出度しや三が日
お握りがいつものようにある五日
母親のメニューサボりて七草粥
疲れたら休む事です冬日
冴え返り出刃包丁の刃のごとく
永遠の赦しを胸に春の雨
春暁や眠りに眠り眠りけり
何あれど雅とすなり俳句道
春浅し昨日今日明日明後日と
サクラサク大学内の掲示板親は子離れ子は親離れ
花の野やしんがりに咲く八重桜
春菊の香りの強き鍋料理
青饅を食へば脳裏に祖母の笑み
佐保姫の絵を描くごとく花開く
言の葉に酔い花に酔い春麗
虎杖を買い来る母の得意顔
吾こそが花よと誇るチューリップ
デイジーが咲いているから今日休み
コンビニにお遍路さんの居る季節
幼稚園満天星躑躅のようであり
おほなゐに吾関せずの蝌蚪のあり
雨垂れやピアノ奏でる春の午後
軒下にみっつ並んだ燕の子
公園にタマタマ咲いたいぬふぐり
オリオンの虚空を射抜く光かな
この林檎香りがええと母の言う
もう会えぬ人も見るのか寒昴
大いなる矜持を流す麦とろろ
秋闌ける訳知り顔の占い師
情のある人が好きです大根干す
下校時に傘をつんつん露時雨
相対す棋士の傍ら朽葉あり
曼珠沙華此の世の血程悲しげに
冬茜遠き神武の時代より
文旦を剥いてくれろと言ふ老母
竹林寺土産物屋の冬灯
きんつばの一つ余るや冬の朝
冬将軍彼も炬燵に陣取れり
しばれるや風呂は極楽浄土なり
こりゃいかん炬燵で寝ては風邪を引く
凍て鶴が発掘されりシベリアで
沢庵とお茶を啜って爺気分
底冷えの底さえ奪う冬将軍
花八つ手目立たぬ者の姿あり
冬ざるる誰訪れぬ神社かな
寝てる間も寒さ感じる怖ろしさ
鳶が舞い漣立つは冬の海
名前なき猫の喜ぶ漱石忌
オリオンや北にUFO横切れり
冬銀河あれを渡れば夢のあり
雪女抱けば二人寝なお寒し
少々は心冷たき宇津田姫
葉牡丹の葉は幾重にも幾重にも
祟りそう怖い顔したお稲荷さん
本日は三寒かなと四温待つ
鰭酒をしみじみと飲む北の国
階段を冬がしんしん上がるなり
忘年会敵も味方もなしなりや

俳句2

八朔をふたつに割りて与作かな
豆撒きやピーナツ撒いて無駄は無し
幸せは空の彼方に春霞
冴え返り空気の肌に刺さりけり
病身にとどめ刺すごと驟雨かな
鶯が心知りしか一鳴きす
若草や幼き頃の川遊び
風光り少しタバコを止めてみる
啓蟄や蟻のママより蜂のパパ
陽炎を追って足元踏み外す夢の軌跡の遠い空なり
黄昏の紫滲む躑躅かな
無防備に純潔晒す白躑躅
菜種梅雨蛙が雨を呼んでいる
ヒーターをいつも入れたる水槽に季節がないねとエビに餌やる
春の野ののののののののののののの
幸せを探せば四つ葉クローバー
モップ犬コモンドールと人の言う
名も知れず紫蘭知らんと咲き誇り
日を以てど枯れぬ悲しさ水中花
海開きビキニを纏う白い肌
紫陽花を愛でる人こそ美しき
おおそうかそんな季節か猫じゃらし
妻はなし今宵の伽も竹婦人
働けと托鉢僧に言ひにけりどうしたもんじゃこりゃ失礼な
雨上がり露の転がる田芋の葉
浜木綿の咲く海べりに恋ひとつ
右だ右左々と西瓜割り
川上に蜻蛉の里の在りにけり
川遊び蛭が吸い付き腰が抜け
三尺寝眠々々と蝉の鳴き
夏の宵眠りを誘う茉莉花茶
もうひとつ要らぬかと母真桑瓜
俳句詠み扇子無けれど団扇あり
秋入日スタイルの良き影法師
栗のイガ割れてこいつはウニじゃない
彼岸花喰うてはヒガン毒がある
蟷螂の斧と雖も指を切り
柿盗ればベルが鳴るなりアルソック

俳句1

ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フロッグスリープラウンドスプリング
蛙たち泉の周り飛び回る
蝌蚪出づる田を誰ぞ知るや風の街
ネクタイに首締められる会社員
堕天使よ終わらぬ恋にピリオドを
祖母逝きぬ清めの塩をためらいて
寒椿ぽろりと落ちて春近し
腰光り秋田小町にひとめぼれ
蝋梅に雫滴り通り雨
先生は猫が好きだね初句会
ミルクティー掟破りの三リットル
気を病んで夢の消えたる暗闇に灯りを一つともすかげろう
朝霞昼がすみまた夕霞
サイコロをじっと見つめてサイコロジー
おやこれは珍しい花珍パンジー
花見酒ちょいとねえちゃん飲まんかよ
晩鐘の響く畑に老夫婦
言の葉の読む人による幻の夢や現を照らす月光
善行に報う尨犬散歩中
こんにちは私山崎若葉ちゃん名前を逆に読んじゃダメだよ
病得て隣の芝生猶青し
猫に子が出来てニャーニャー五重奏
もういいよ君は十分苦しんだ
素麺の旨い季節だツユ一つ
迫る初夏我らを狙う黒い影
元気出せ世界は愛に満ちている
猫に問うにゃーと鳴かれて意味不明
さくらんぼ僕と貴方は17才
豌豆の煮物に感ず母の愛
燕の子季節と命巡りけり
蛙にも下戸と言われて酒飲まず
蟇蛙車に轢けて轢き蛙
母がまた今年も来たと梅漬ける
徒然に弾くはショパンノクターン
街を行くあやめのごとく咲く女性
襟正し形代に籠め流す罪水に流せばまた明日は来ぬ
水無月や梅雨があるのにこれ如何に昔は盛夏水涸れる時
誠実と云う名の不実跋扈せり
巣立ち前子雀空を見据えけり
緋目高や鉢にありても溌剌と
万緑の葉がそよそよと鳥を呼ぶ
仏壇に父の位牌と母の飯
日記書き我が闘病と名付けけり
人は風地に砂埃舞い揚げて鎮める天の恵みの雨や
でで虫の転び印度の山の奥
蟷螂に神の怒りの現るる
虎馬(トラウマ)は馬鹿(ウマシカ)とまた違いけり
人生は暇つぶしかなと背伸びをし言うてはみても風寒きかな
徒然に治らぬ病もてあまし人に頼れど知らぬ振りかな
出鱈目が良いねと君が言ったから今日は言葉のサラダ記念日
クロネコやチャラリラリラと屋台の音
淋しいと言っても独り梅雨の空
台風や家に缶詰水羊羹
今日も元気だ麦茶がうまいこれで一日リラックス
人は鏡と言われるけれど要らぬ鏡は割ればよい
夏にクーラー点けてみたけど寒くなるのは財布だけ
深い闇波を縁取る夜光虫
仙人掌に水やる仕事風雅かな
母の愛無言の愛の甜瓜
ふと止まりどこへゆこうか秋茜
鳳仙花敏感だった人想う
鳳仙花弾け壊れて子を残す
魚を右手に竿左手に右往左往(うおーさおー)と慌てけり
魚屋の娘にアタックしたら鱚(キス)は売り切れ残念ね
好景気八百屋の蕪を買い占める
亀戸で冥途の土産にメイド服明度の高いメイドインジャパン
パソコンの調子も悪し秋の雨吾の頭と共に狂へり
重病や秋の晴れ間に毛が生える
ひょろひょろと僅かに苦し貝割菜
「おじさん」と甥に言われた四十七幾ら足掻けど「おい」には勝てず
沈黙や恋も刹那く飽きが来る
コスモスや記憶に残る散歩道今宵ひとひら触れてみようか
花もなく小鳥もおらず猫も居ぬ寂しかりけり秋の公園
秋の園遠く電車の音を聞き
片恋や首を傾げる縞柄長
真夜中に目覚めてみれば冬浅し
霜月や辛き病に涙する
ルート2はひとよひとよにひとみごろ
雪煙子らははしゃいで山静か
南天が髪飾り也雪達磨
雪達磨美女の隣で溶けにけり
風を切り冬を駆け行くジョガーかな
寒がりを冬将軍は虐め過ぎ
ほれどうじゃ蜜柑は要るか炬燵猫